関越自動車道「関越トンネルのトンネル延長」


関越トンネル【Kannetsu-Tunnel】

群馬県利根郡みなかみ町。
新潟と東京を結ぶ、日本初の横断系高速道路として開通した関越自動車道。
古くは東京川越道路からスタートし、着々と建設された高速道路において、日本一が群馬の北辺にあります。
それは「道路トンネルの延長日本一」
但し、新潟と共有・・・この辺はあまり突っ込まないでw

もうみなさんおなじみ、関越トンネルですな。
NHKの「プロジェクトX」でも取り上げられましたし。
上り線 11,055m
下り線 10,926m


<群馬側坑口 助手席より撮影>

単純に延長だけで見るなら、上下別で見ても一位二位になります、はい。
一般的には上下が同じトンネル名であれば長い方を採用します。
なお上下とも群馬県側が少々長いようです。
ちなみに道路トンネルとしては世界で11位の長さに当たります


<トンネル内にタイルで県境が明示されているものの、走行中の撮影は無理でしたw>

昭和45年に基本計画が策定され、検討・設計が進められました。
プロジェクトX等に詳しいですが、湧水が地質等で相当な難工事であったようです。
建設は下り線側を暫定二車線という形で先行的に開始し、下り線が供用を開始した翌年には上り線側の計画に入っています。
下り線の暫定二車線供用で検討していた当時の建設省と日本道路公団は、日交通量を約9000台と推計していたそうです。
それが、蓋を開けてみれば倍近い交通量が発生し、お盆や冬等の交通が集中する時期には渋滞発生もしばしば。
そこで早速の四車線化を目指したという事でしょう。
下り線の関越トンネルを走っていると、暫定二車線供用だった名残が随所にあります。
興味のある方は目を凝らして探してみてください♪(運転手の方は道交法順守・規則徹底等の安全運転厳守の上でお願いします)

関越道が全通するまでは、とてもつらい谷川岳越えでした。
三国峠(国道17号)を車で利用したことがある方はご存じかもしれませんが、冬は本当につらいのです。
関越トンネルのある水上IC〜湯沢IC間が、通常の高速料金より上乗せされていても高速を使いたくなってしまうものです。
(平成25年まで、割引措置があるようですが)

昭和60年、まず下り線が念願の供用をはたし、上り線は平成3年に供用開始。
四車線化が成されました・・・意外と最近なんですね。
現在の制限速度は一般の高速道路よりさらに絞られている時速70q/h

関東と越後を結ぶトンネルという事で「関越トンネル」と名付けられたのでしょう・・・多分
・・・と、いうより路線名からして「関越自動車道」な上に、路線名の冠となる両地域を結ぶトンネルだからなるべくしてなった名称というところでしょうか。
谷川岳トンネルという可能性もあったでしょうけどね。
さすがに鉄道に先にやられている「上越」は使わなかったようでございますな。
まぁ、そもそも鉄道でいう「上越線」は「上州と越後」だから上越だけど、関越道は「東京・埼玉・群馬と新潟」だから「上越」ってわけには行かないでしょうし。
余談ですが、某組織の某事務所には「関越トンネル 命名 田中角栄」と達筆に書された色紙があるらしい・・・

ちなみに、JRが清水峠をトンネルでぶち抜いた時に出た湧水を「大清水」とブランド化し大成功しましたが、関越トンネルは上下の谷川岳PAにて「谷側の6年水」という名で提供しています。
水筒等を持参すれば自由に汲めます。夏は冷たくておいしいです。
PA内では、空のペットボトルも販売しております。


<上り線谷川岳PAの案内看板 売店の横にあります>


<蛇口は二つ シーズンや時間によっては混んでいるかも>


<冷たくておいしい水は、運転のサポートにありがたいです>

関越トンネルの建設計画が進んでいる時、東名高速日本坂トンネル(S54)や北陸本線北陸トンネル(S48)等のトンネル火災が発生し多数の死者が出ました。
そういった点を踏まえて、関越トンネルはジェットファンで火災発生時の煙をコントロールし、利用者の避難の時間を稼ぐ設備が着いています。
どちらかのトンネルで大規模な事故が発生した場合、上下線のトンネルを行き来できるように避難連絡路が横断的に何本も設置されています。
さらに、上下のトンネルの間に避難専用のトンネルも設けられています。
また、自動車の煤煙等をトンネル内から排除するため、二本の立坑(万太郎&谷側)に加え電気集塵機が設置されています。
こういった安全対策等を施された関越トンネルは、その後のトンネル事業に道筋をつけた意味でも非常に重要な土木構造物であるわけです。

突発湧水や山はね(地山が突然破裂し、多量の岩盤が飛ぶ事)に負けず全面発破等を駆使して総事業費630億円(当時)で建設された日本一の道路トンネルである「関越トンネル」
ですが、近年、その地位を脅かす存在が!!
首都高速中央環状線の山手トンネルです。
現在の延長は10,900mで第二位ですが、大橋JCTから先が一応は別名称のトンネルとして掘削が進んでいますが、これが開通すると現山手トンネルと続山手トンネル(仮称)がつながります。
さらにそれ以外のものもつながりますので、すべて連結されたものを「1本のトンネル」としてカウントすれば計画では約19kmになるそうです
供用は2013年の予定、危うし関越トンネル!

・・・まぁ、でも「道路トンネル(山岳部)では日本一」とか「1本として建設が行われた(=延伸・連結等がない)道路トンネルでは日本一」という事実は揺るがないので日本一は日本一でしょう!


だって地下だと大半がトンネルじゃんかねー(笑)
追伸ですが、下り線の谷川岳PAには「とんねる館」という関越トンネルをPRする建物があります。

関連HPはこちら↓
日建協HP「関越トンネル」


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