国道145号線 長野原町〜沼田市


国道145号線 長野原町〜沼田市

国道145号線

起点 群馬県吾妻郡長野原町
終点 群馬県沼田市

群馬県内延長 約49.8km(重複区間含む)

重複路線 国道292号,国道353号,国道406号線

「日本ロマンチック街道 その2」

国道120号線の章でもふれたが、日本ロマンチック街道は本家ロマンチック街道のように観光名所を繋げて、日本でも観光街道をつくろうじゃないか!という事で長野から栃木にいたる道を「日本ロマンチック街道」と称し、沿線自治体がPRに励んでいるわけで。

日本ロマンチック街道公式HP

国道145号線は、その日本ロマンチック街道のうち、群馬県内で起終点が完しておりて長野原町〜沼田市を中之条町・高山村等を抜けて沼田市の下川田町交差点にて国道17号に接続している。

のっけから珍しいものがある。
国道145号の起点である長野原町にある羽根尾交差点。
国道案内の青看板には「国道三起点」という文字があり、付近には長野原町町制百周年を記念して作られた木製の「三起点記念碑」がある。

小さい頃はずっと、大津の交差点が起点だと思っていました、ごめんなさい。

この羽根尾交差点は、国道144,145,146と連番で三つの国道の起点になっている。
偶然、終点が重なっちゃったってのならありえる話だが、何もよりによって、この場所で三つの国道がスタートするというのが偶然になるとは思えない。
しかも、国道番号が連番。
だれか、当時の建設省(?)の担当者が意図的に行ったとしか思えない。
東京の日本橋とかなら、まだ日本の道路の中心のような場所なので何起点重なろうが「さすが日本橋」という事ともなろうもの。
不思議といえば不思議である。

さて、起点の羽根尾交差点を東に向かうと、大津交差点に出る。
ここを左方向に曲がると国道292号線で、草津温泉に向かっている。

この大津交差点。
10年前と今とでは風景は変わらないが交通量がだいぶ違うようだ。

何故か?

昨今話題になった、八ッ場ダムの付替道路である。
国道145号の複線(?)として1本増えた形(なので長野原草津口交差点から大津交差点までは国道145号は2本になる)となっている。

新しい方の道は広いし、信号は少ないですから走りやすいけど、何故かいつも旧来の市街地のルートを通ってしまう。
ま、気分の問題なんだけどさ・・・

長野原草津口交差点を過ぎるとJR吾妻線を左側に配して、JRと並行して東吾妻町まで。
川原湯温泉と前後して、この間の大半を占めるのが、いわゆる「吾妻渓谷」
風光明媚なことで知られ、上毛カルタでも「耶馬溪しのぶ吾妻峡」と謡われる場所である。


<吾妻渓谷の絶景>

ここも4分の1くらいダムで沈んじゃうけどね。
なので、ここ数年は工事用車両がたくさんはしっていたり、いくたびに橋が伸びたりしてたけど。
その反面、昔は車両の離合が難しかった場所が、工事用車両を通すために複線化されたりして利便性もあがっている。
痛し痒し?いや、地元にとっては数十年闘争した結果を受け入れたのだからそのくらいは当然であると思ってる。
それを、卓袱台を返すように簡単にひっくり返しやがって・・・・・ま、それは別議論か。

そして、ここの日本一も消えるのだろうか・・・



<日本一短いトンネルである樽沢隧道。そのうちつかわれなくなる。>

さて、群馬原町駅の少し手前でJR吾妻線を跨線橋で飛び越え、JR線が右手にうつり、今度は中之条方面へ。

群馬原町駅周辺は、旧来真田氏の領地であり、真田昌幸が居城とした岩櫃城がそびえている。

<岩櫃城跡。登山口から40分くらいかな?>

そして、その話を名前だけもらった町営の岩櫃城温泉もある。
デザインが本物の岩櫃城をモチーフにしていない事は見た目でわかる。

<岩櫃城温泉。普通の温浴施設ですよ♪>

群馬原町の駅前にはベイシアを中心とした郊外型店舗のいろいろな店が集中し、吾妻郡民の買い物客でいつも込んでいる。
吾妻郡を「ひとつの市」としてみた場合、地方型の都市としては理想的な形ではないだろうか?
合併すれば、それなりに立派な市になると思うけどなぁ・・・

地形上の関係でぐん!と下がってぐん!と上がって変則的な十字路を右折すると、長岡交差点
ここからちょっとの距離で国道353号線が重複。
長岡交差点を右折した国道353は、中之条駅の駅裏に当たる新興商店街が立ち並ぶとおりである。
ここを左折気味直進すると、伊勢町上交差点。
ここも少し変則的な交差点だが、これを左折するのが国道353号線。
国道145号線は中之条町のメインストリートを直進である。
高校時代によく通った風景。

そしてその先、国道145号線は伊勢町下交差点を左折する。
これを直進するのは、やはり国道353号線・・・ちょっと複雑に入り乱れている。

ここからはJRとはおさらばして、名久田川と並行して北進となる。
途中、吾妻神社を横に眺めながら田園と山脈を眺望できるルートを走っていると、謎の遺跡である「桃瀬の水牢」が現れる。
聊か唐突だが、珍しい史跡なので、立ち寄ってみると面白いかも。



<桃瀬の水牢。写真何枚かとったけど、どれもあまり映りがよくない・・・>


更に進めば、高山村に突入。

尻高城跡、泉龍寺の高野槇、中山城跡、添うが森・添わずが森等の、小粒だがピリリと光る史蹟名勝が立ち並ぶルートである。

<中山城跡。このあたり裏手全ての山丘が、中山城!>

なんと言っても山間の土地であり、高山村は中之条からのルート以外は複数の峠(権現峠・中山峠・赤根峠・切ヶ久保峠)に囲まれているという、三国山脈から連なる群馬北部の山地形状と関東平野との境目に位置する村であるともいえる。
なお、切ヶ久保峠は現在道は無し。
明治時代まではあったらしいけど、廃道と化してるとのこと。
ただ、この地域は、江戸時代以前から坂東と日本海を結ぶ重要な位置づけだった事は想像に難くない。

緩やかだが何度も続くカーブを進んでいくと、権現峠に差し掛かる。
この峠の頂上付近にあるのが「大理石村 ロックハート城」である。

<ロックハート城。結構マジな作りです!>

石材会社がシベリア鉄道を用いてスコットランドから本物の古城を移築したという、なんともゴージャスなもの。
中にはマリリンモンローの香水やらなにやらいろいろ展示してあったり、結婚式場として使用されたり、テレビドラマの撮影で使用されたりと、休日でも結構賑わう一大観光スポットである。
ここ数年、俳優の津川雅彦氏によるサンタ関係の展示物をずっと置いているようだが、中身は確認していない・・・

この権現峠を越えてしまうと、後は下るだけ。
そしてここから沼田市。
そこそこ勾配の急な部分もあるが、みちなりに進んで下川田町の交差点で国道17号にタッチして、終了。

実家を行き来する際、必ず通る道ではあるが、通るたびに違う風情を感じるロマンチック街道の一部である。

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